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ダーウィンの日記1832年9月3日 [ダーウィンが行く]

ダーウィンの日記(ラプラタ河以南への巡航)

[日記仮訳]

(1832年9月)3日
天候は私たちにとってはまずまずだった。ところが夕方、風が強く、かなりの波があった。この時、2~3分の間だったが船の状況はとても危険であった。水深がとても浅い堆積に出くわしたのだ。[測深の]鎖を操作している係の者が"2と半"[注]と節を付けて大声で言ったのには驚いた。これは私たちの船底が海底からたった2フィート[61cm]ということだ。もしぶつかったら私たちは海底に沈む可能性がある。外洋の長い波長のうねりが襲いかかって最強の肋材でも粉々にすることもあるだろう。
[ダーウィンによる欄外への記入: その後これは測深係の間違いだったと信ずべき理由があった。]
このような時に水兵たちの静かな注意深さを見るのは素晴らしい眺めだ。進路を変えてやがて水は深くなった。現在は大荒れとなっている錨泊地で揺られながら朝を待っている。
[注]この数値の単位はおそらくファゾム(fathom)で、1ファゾムは1.8288mなので、2.5ファゾムなら4.57m。ビーグル号の喫水は3.8m。

[天候]
1832年9月3日正午の天候:
南西の風、風力4、気温摂氏10.0度、水温摂氏10.8度。

[地図] 1832年9月3日のビーグル号の大体の位置..

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この日は天候が悪くて天測が十分に出来なかったはずで、R.フィッツロイ艦長の記録している緯度・経度の数値の精度は高くないと思われます。

[参考画像] 近くの砂丘..
1074613.jpg
出典: http://www.panoramio.com/photo/1074613

[日記原文]
3rd
The weather has been tolerably fair for us; but in the evening the breeze was fresh & a good deal of sea. — At this time, the situation of the vessel was for a few minutes very dangerous. — We came suddenly on a bank where the water was very shoal. — It was a startling cry, when the man in the chains sang out, "and a half, two" our bottom was then only two feet from the ground. — if we had struck, it is possible we should have gone to the bottom; the long swell of the open ocean would soon dash the strongest timber into pieces. — It is beautiful to see the quiet calm alertness of the sailors on such occasions. — We soon deepened our water, when we altered our course. — At present we are riding in a wild anchorage, waiting for the morning. — ["ダーウィンが行く"について]
このシリーズで扱っているのはダーウィンがビーグル号に乗っている時の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳しますが日によっては原文全文と注釈または抄訳だけにとどめる場合もあります。抄訳の時はその旨を明示します。
[日記原典] "Charles Darwin's Beagle Diary" ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.

ダーウィンの日記全体の冒頭部はこのブログでは次のページにあります..
http://kozuchi.blog.so-net.ne.jp/2006-10-23

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