SSブログ

ダーウィンの日記1832年8月21日 [ダーウィンが行く]

ダーウィンの日記(ラ・プラタ河以南の巡航)

[日記仮訳]
(1832年8月)21日
昼ごろピエドラ岬[注]の近くに投錨し、測深のためのボートを出した。出発してすぐに水が引き始め、はっきりそれと分かるほど船底が海底を擦った。静かな天候においてはこれはほとんど問題にならないが、いくらかの波がある時には船底に穴が開けられてしまうのにそれほど時間はかからない。
[注]地図1参照。

岸は低くて茂みに覆われていた。相異なった土地が全く同じように見えるということがこの河[注]を航行する場合の主な困難の原因だ。
[注]ラ・プラタ河。

[地図1] ピエドラ岬..


地図表示におけるマップポインターについての一般的注意(2009年9月27日に付記): この一連のブログ記事において、緑色のマップポインターが筆者(ブログ作成者)の意図する地点を指しているものです。"A"の表示を持つマップポインターはGoogle Mapsのソフトウェアの仕様により自動的に付加されるもので筆者の意図によるものではありません。
もともとはこのブログを書いている初期の段階では"A"の印を持つマップポインターを筆者の意図する地点を表示するために使用していました。その後2009年半ば近くになりGoogle Mapsのソフトウェアの仕様が変化して、 自動的に"A"と表示されるマップポインターがその図において代表的な地点(ブログ作成者の意図とは無関係)を示すものとして付加されるものとなり、筆者が意図する地点(初期に"A"で表していたもの)は緑色のマップポインターが指し示すという形に自動的に切り変わっております。この場合"A"の地点は一般には記事とは無関係なものとなっています。(ただし、たまたま"A"の地点と筆者の意図する地点がほぼ一致しているという場合もあります。)
ブログ記事アーカイヴにおいて気の付く限りマップポインターへの言及を現在修正しつつありますが、まだ全てには手が回りかねますので、もし過去記事をお読みになる労を厭わない方がおいででしたら、その場合は各記事の地図表示のマップポインターに留意されたく思います。念のために繰り返しますと、まれに"A"のマップポインターがたまたま意図するものに一致する場合もありますが、原則としてのマップポインターが筆者の意図するものです。


[日記仮訳(続)]
この2日間天候はとても良く晴れている。空にひとつとして雲があったとは思えない。多くの陸鳥が索具に休んでいる。ヒバリ、タイランチョウ、ハト、そしてモズといったものたちだが、みなかなり消耗しているように見える。

夜、サン・アントニオ岬[注]の北に投錨した。ここを回れば私たちは開けた海に出る。水はもうすでにひどい泥の色をしていない。
[注]地図2参照。

[天候]
1832年8月21日正午の天候:
北北西の風、風力2、青空、雲、気温摂氏14.4度。

[地図2]サン・アントニオ岬..

View Larger Map

[画像] 現在のサン・アントニオ灯台から海を望む..
862746.jpg
出典: http://www.panoramio.com/photo/862746

[日記原文]
21st
In middle of day anchored near Point Piedras, & sent our boats to sound. — Shortly after getting under way, the water suddenly shoaled & we grazed the bottom rather too sensibly. —
In calm weather this is of little consequence, but when there is any sea, it does not take long to knock a hole in the bottom. — The coast was very low, & covered with thickets. — the extreme similarity of different parts of the banks is the chief cause of the difficulty of navigating this river. — The weather has been beautifully clear during these last two days. — I do not believe there has been one single cloud in the heavens. — Several land-birds took refuge in the rigging, such as larks, fly-catchers, doves & butcher-birds & all appeared quite exhausted. — To night we have anchored North of Cape St Antonio, — as soon as we double this we shall be in the open ocean. — Already the water has lost its ugly muddy colour. —

["ダーウィンが行く"について]
このシリーズで扱っているのはダーウィンがビーグル号に乗っている時の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳しますが日によっては原文全文と注釈または抄訳だけにとどめる場合もあります。抄訳の時はその旨を明示します。
[日記原典]
"Charles Darwin's Beagle Diary" ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.

ダーウィンの日記全体の冒頭部はこのブログでは次のページにあります..
http://kozuchi.blog.so-net.ne.jp/2006-10-23


nice!(25)  コメント(3) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 25

コメント 3

アヨアン・イゴカー

>ヒバリ、タイランチョウ、ハト、そしてモズ
何故、索具に止まっているのでしょう。それも疲れ切っている様子。
ハトや雲雀、百舌、みんなその餌は陸地にあるのでしょうに。タイランチョウと言う鳥は分かりませんが、fly-cathcerと書かれていますから、ヒタキの仲間のようです。ヒタキも陸の鳥でしょうに。
by アヨアン・イゴカー (2008-08-11 20:21) 

さとふみ

ビーグル号では測量をしているわけですからかなり陸地に近い所にいるわけですが、それでもなぜ陸鳥が海上にいるのか分かりません。風向きが北西微西から北北西といったところなので流されたのかもしれません。それほど強い風とも思えませんが。
なお、ヒタキは"Old World flycatcher"と呼ばれていて南北アメリカにはいませんので、ダーウィンの言っている flycatcher はそれとは異なる科の鳥だと思われます。
by さとふみ (2008-08-11 20:38) 

chee

こんにちは。
現地に行って全身で感じたいですね。
鳥、空、海。
by chee (2008-08-12 10:52) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。