SSブログ

ダーウィンの日記1832年7月16日から18日まで [ダーウィンが行く]

ダーウィンの日記(リオからモンテビデオへ)

[日記仮訳]
(1832年7月)16日
海が大分荒れていて、そのため私は気分的にかなり落ち込んでいた。

17日
上にも下にも補助帆が張られているのを見て我が眼は喜んだ。つまり、風が正横(せいおう)後から吹き順風なのだ[下の天候欄参照]
[天候]
1832年7月17日正午の天候:
北北東の風、風力2、青空と雲、気温摂氏19.4度。

[日記仮訳(続)]
18日
私たちは8~9ノット[14.8~16.7km/h]の速さで進んでいる。数において数百にもおよぶネズミイルカの素晴らしい群れが私たちの船の舳先を横切った。海面全体がそれらによって畝を作られていた。跳ねることによって進み、その時全身が現れるのであり、そのようにして水面を切ってゆく時それはとても並外れた壮観を呈すのであった。船が9ノットで走る時、この動物はいともやすやすと私たちの舳先を横切り再びもと来た方向に横切ることが出来るのであった。それからまっしぐらに突進し去るのである。かくてそれらは大いなる力量と活躍を示すのである。
多数のトビウオが水面上をかすめ飛んでいた。1年のこの時期[注]に、南緯31度37分 西経49度22分でそれらを見たので私は驚いた。
[注]南半球の冬。

[参考映像] ネズミイルカの群れ..

(ジャック=イヴ・クストー 『沈黙の世界』の映像から)

[地図]1832年7月18日正午のビーグル号の位置..

View Larger Map

[日記原文]
16th
There was a good deal of sea up & I in consequence, with my spirits a good deal down. —

17th
My eyes were rejoiced with the sight of studding sails, alow & aloft, — that is wind abaft the beam & favourable.

18th
We are driving along at the rate 8 & 9 knots per hour. — A wonderful shoal of Porpoises at least many hundreds in number crossed the bows of our vessel. — The whole sea in places was furrowed by them; they proceeded by jumps, in which the whole body was exposed; & as hundreds thus cut the water it presented a most extraordinary spectacle. — When the ship was running 9 knots these animals could with the greatest ease cross & recross our bows & then dash away right ahead. — Thus showing off to us their great strength & activity. — Several flying-fish were skimming over the water; considering time of year & Latitude 31° 37' S: Long 49° 22' W, I was surprised to see them.

ネズミイルカ
2670016743_e4e74e7fb9_m.jpg
出典:encyclopaedia britannica

["ダーウィンが行く"について]
このシリーズで扱っているのはダーウィンがビーグル号に乗っている時の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳しますが日によっては原文全文と注釈または抄訳だけにとどめる場合もあります。抄訳の時はその旨を明示します。
[日記原典]
"Charles Darwin's Beagle Diary" ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.


nice!(26)  コメント(2) 
共通テーマ:趣味・カルチャー

nice! 26

コメント 2

アヨアン・イゴカー

帆船で航海をしていれば、イルカたちの歓迎も受けるわけですね。スクリューや鋼板で彼らを傷つける心配もないでしょうから、気儘な楽しい船旅を楽しめたのでしょうね。
by アヨアン・イゴカー (2008-07-16 00:25) 

さとふみ

イルカの数も多かったんだと思います。
by さとふみ (2008-07-16 13:34) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。