大きな速度は時間の節約か [あれこれ]
大きな速度は時間の節約?
時計の話が出たついでに、速度と時間について簡単な計算をして遊んでみます。
アインシュタインの特殊相対性理論(1905年)においては、"光の進む速度はどのような互いに等速直線運動する空間座標系においても同一だ"、という公準をおく事によって時空というものを考えるのでした。これにより、ローレンツ変換という比較的単純な公式で等速直線運動をする複数の時空座標系の間で座標変換を計算できる事になります。
注:真空中での光速は秒速で299,792,458m/sの定数として定義されます。
簡単な場合を試してみます。時計をふたつ、AとBを用意し、Aは空間的に"固定"してBをそれに対し等速直線運動するものとします:
1) 光速のちょうど半分の速度で、時計Aで計って1000年間、時計Bが一直線に進み続けたとします。このとき、時計Bが進んだ距離はもちろん固定した時計Aから見ると1000x0.5 = 500(光年)ですし、Aでは1000年経過しているのですが、動いた方の時計Bでは実は866.0254年しか経過していない事になります。
注:1光年は9,460,730,000,000,000mです。
2) 同じように時計Bが時計Aから見て一直線に今度は光速の0.99倍の速度で1000年間進んだとします。すると、時計Bの動いた距離は1000x0.99=990(光年)なのですが、時計Bでは141.067年しか経過していません。
3) もっと現実的に時速200kmで時計Bが1000年間(Aで測った時間)進んだとしますと、Bでは時間は999.99999999998年経過したことになります。これはわずか630ナノ秒だけBで測った時間がAで測ったものより短いということを意味します。
日常の交通手段では高速度であることはそれほどの時間の節約とは言えないという事でしょうか。
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