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C.ダーウィンの日記(1835年3月11日) [ダーウィンが行く(後半)]

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C.ダーウィンの日記(チリ; バルパライソ到着、サンティアゴへ移動)

[注釈] 1831年12月27日にC.ダーウィンを乗せて英国南部のプリマス港を出帆したビーグル号(H.M.S.Beagle; 艦長はR.FitzRoy)は、1834年の6月に大西洋側から太平洋側に移動し、しばらくチリ南部の太平洋沿岸の測量に従事していた。翌年すなわち1835年の3月半ばにビーグル号がチリの港バルパライソに到着した際、C.ダーウィンはここでいったん船を下りて、同年3月18日から内陸旅行・探検の行程にはいる。
それは、
1) アンデス山脈横断往復(4月17日まで)と、
2) アタカマ砂漠の南方すなわちチリ北部の乾燥地帯の北上(4月27日から7月5日まで)、
というふたつの旅行となる。
C.ダーウィンはこのふたつの内陸旅行の後、再びビーグル号に乗り、北上してペルーの海岸、リマの近くのカジャオの港に立ち寄るが、こちらでは治安状況が極めて悪かったということもありC.ダーウィンによる旅行・探検はほとんど行われていない。
そしてこの年1835年の9月7日に、ビーグル号はガラパゴス諸島、そしてその後の太平洋横断に向けてペルーの海岸から出発することとなる。

このブログの"ダーウィンが行く(後半)"のカテゴリーの記事では、C.ダーウィンによるこのアンデス山脈横断往復旅行、そしてそれ以降、特にまたガラパゴス訪問、タヒチ訪問等の日記部分を順に見てゆくこととします。これは以前書いた別のブログ記事の再掲となりますが、訳文に改善を加えており、地図その他の項目でも改良される部分があります。



[日記訳]

(1835年3月)11日

凪が続き、私たちは夕刻にバルパライソに到着した。 翌日、私はアルメンドラルにあるコーフィールド氏[注]の邸宅に引っ越した。
[注] Corfield, Richard Henry (1804-1897)。バルパライソにいる英国人商人で、シルズベリーの学校でダーウィンと同窓であった。

14日

サンティアゴまで、覆いのついた軽馬車つまりビルロチョに乗って出発した。これが[バルパライソとサンティアゴの]2地点を結んでいるのである。
ラドの麓にある駅舎で眠ってから、早いうちに街に着いた
[注]
[注] 下の地図1参照。

15日

カルドクリュー氏[注]がとても親切に、私がコルディジェラ[アンデス山脈]を横断するための若干の準備をしてくれた。そして18日に、ポルティリョ峠を通ってメンドサ[*注]に向かう旅に出発した。
[注] Caldcleugh, Alexander (d. 1858). 英国人商人で、植物採集者。1819年から21年にかけての南米旅行についての著書がある。
[*注] アコンカグア峰を中心とするアンデス山脈の東方にある町。下の地図2参照。


[地図1] バルパライソ(Valparaiso; 太平洋岸)とサンティアゴ (チリ)..

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[地図2] メンドサ (アンデス山脈の東側 アルゼンチン領内) ..

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[参考画像] バルパライソ(Valparaiso)、サンティアゴ(Santiago)、アコンカグア(Aconcagua)峰、およびメンドサ(Mendoza)の相対位置..
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ダーウィンはメンドサへのアンデス往復横断のうち、復路でアコンカグア峰のすぐ南の峠を西に超える。

[天候]1835年3月11日正午の天候(Captain R.FitzRoy):
変わりやすい風、風力1、雲、全天曇り、霧、気温摂氏16.7度、水温摂氏16.7度。


[日記原文]
11th
After a succession of calms we reached Valparaiso in the evening. — On the next day I moved into Mr Corfields house in the Almendral.
14th
Set out for St Jago in one of the covered gigs or Birloches[sic] which travel between the two places; sleeping at the Post house at the foot of the Rado, reached the city early in the day.
15th
Mr Caldcleugh most kindly assisted me in making all the little preparations for crossing the Cordilleras & on the 18th started by the Portillo Pass for Mendoza.

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ここで扱うのは私の以前書いていたブログ "ダーウィンの日記(III)"
[特に http://saltyvoyage.blog.so-net.ne.jp/1835-03-11 以降]
からの再録になります。ただし、訳文や付加する地図などに対して、若干の改良を加えてます。






冒頭画像出典:
http://www.panoramio.com/photo/562995






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