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ダーウィンの日記1832年7月10日 [ダーウィンが行く]

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ダーウィンの日記(リオからモンテビデオへ)

[日記仮訳]
(1832年7月)10日
午後になって、凪(なぎ)が、激しい風またはほぼ疾風(これは海に不慣れな者にとってはかなりの荒れ模様だ)によって破られた。まず、上檣桁を下げ、それから上檣を降ろした。これは、海で何事かが起きている時に私が周りを見回す事の出来た最初であった。
ビーグル号が波の上を優美に滑るように進んで行く様を見るのは壮観であった。船はあたかも自らの選択で強い衝撃を避けるかのようであった。
夜になると空が険悪に見え出して、白い波頭を伴った波が怒るかのように船の側面に押し寄せて来た。深夜の当直の間に風は止み、凪(なぎ)となった。これは常に疾風が吹いた時の厄介な部分だ。というのは、帆に風が吹かない為に、船が安定航行できず、波間にとても心地の良くない横揺れをすることになるからである[注]
[注]荒れた直後の波の高い状態のままで急に風が弱まると、船は推進力を得られずに適切な角度で波に向かって進めないため、波に翻弄される状態となる、ということを言っていると思われます。

[地図]1832年7月10日正午のビーグル号の位置..

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[天候]
1832年7月10日正午の天候(フィッツロイ艦長の温度表記は華氏表示ですが摂氏に換算して示します):
南南西の風、風力4、青空と雲、スコール、気温摂氏20.6度、水温摂氏23.6度。

[日記原文]
10th
In the afternoon the calm was broken by a stiff breeze, almost a gale: (i.e. a very heavy one in a Landsman's eyes). — We first lowered the Top-gallant yards, & then struck the masts. — This was the first time that I have been able to look about, when there has been anything of a sea up. — It was a beautiful spectacle to see how gracefully the Beagle glided over the waves, appearing as if by her own choice she avoided the heavy shocks. — As the night came on, the sky looked very dirty, & the waves with their white crests dashed angrily against the ships sides. — In the middle watch however the wind fell & was succeded by a calm: this is always the worst part of a gale, for the ship not being steadied by the wind pressing on the sails rolls in a most uncomfortable manner between the troughs of the sea. — —

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["ダーウィンが行く"について]
このシリーズで扱っているのはダーウィンがビーグル号に乗っている時の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳しますが日によっては原文全文と注釈または抄訳だけにとどめる場合もあります。抄訳の時はその旨を明示します。
[日記原典]
Charles Darwin's Beagle Diary, ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.

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