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ダーウィンの日記1832年4月24日 [ダーウィンが行く]

ダーウィンの日記(リオ・デ・ジャネイロ)

[注釈]4月8日からのリオ・デ・ジャネイロ東方マカエ河流域までの旅行から帰って、ダーウィンはビーグル号に辿り着きます。なお、彼はすでにボタフォゴというところにこれからの仮の宿所を持っており、これからしばらくそちらの方に彼の住まいを移す事になっています。
ビーグル号の方は4月4日のリオ・デ・ジャネイロ入港以来ここに留まったままです。別の一隊がグアナバラ湾の北方のマカク地方の探検・狩猟に出かけたりはしています。まだ先の事ですが、やがてビーグル号は5月10日から6月3日までの間、ダーウィンたち数人をリオに残したまま、測量の精緻化のためにバイアまでの往復を行う事になります。

[日記仮訳]
(1832年4月)24日
嬉しくもついにビーグル号に辿り着いた。1日の休息をすることがとても楽しかったので船の上でゆっくりすることに決めたのだ。私が不在だった間この小さな世界でいくつかの人事の変化が起きていた。マコーミック氏[*注]は帰還することになっており英国にタイン号で帰る。ダービシャー氏は彼自身の求めにより任を解かれた。代わりにウォースパイト号からビーグル号にジョンストン氏が移るだろう[†注]
[*注]ロバート・マコーミックは船医でした。代わりは船医助手だったベンジャミン・ビノー。マコーミックは博物学[natural history;自然史学]の観察をしたいと思っていたのにそれが満足に出来ない状況になっていたということもあって帰還を申し出たようです。
[†注]アレクサンダー・ダービシャーは航海士。代わりにジョンストンという人が来ることになっているとなっていますが、フィッツロイ艦長の著書やダーウィンの日記のその後の記事を見ますとジョンソンという名が正しいようです。艦長の著書のほうでは別に航海士としてメラーシュという人が召喚され、ジョンソンという人は士官候補生としてビーグル号に移ったことになっています。

[天候]
1832年4月24日正午、リオ・デ・ジャネイロに停泊中のビーグル号上で観測された天候:
南微西の風、風力2、青空と雲、驟雨、気温華氏69度(摂氏20.6度)、水温華氏74度(摂氏23.3度)。
[参考]現在のリオ・デ・ジャネイロの天候.. http://www.worldtimeserver.com/weather_in_BR-RJ.aspx?forecastid=BRXX0201

[地図]

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[日記原文]
24th
To my joy I at last gained the Beagle. I found a days rest so delightful that I determined idly to remain on board. — During my absence several political changes have taken place in our little world. — Mr Maccormick has been invalided, & goes to England by the Tyne. Mr Derbyshire[sic] by his own request was discharged the service. — In his place Mr Johnstone[sic] will be moved into the Beagle from the Warspite. —

["ダーウィンが行く"について]
このシリーズで扱っているのはダーウィンがビーグル号に乗っている時の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳しますが日によっては原文全文と注釈または抄訳だけにとどめる場合もあります。抄訳の時はその旨を明示します。
[日記原典]
"Charles Darwin's Beagle Diary" ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.

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