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ダーウィンの日記1832年3月22日と23日 [ダーウィンが行く]

ダーウィンの日記(バイアからリオ・デ・ジャネイロへ)

[仮訳]
(1832年3月)22日と23日
まだ風は弱くしかも逆風だ; だが私にとっては負担なのだが少しうねりがあり、1日中私はかなり気持ちが悪い。 [仕事への]没頭が最良の治療だ。そして港を離れると私は常に私の採集物を整理することに喜んで没頭するのだ。

[参考] 船酔いの最良の治療は没頭だ、と日記に書くダーウィンですが、その日、どのような仕事に没頭していたのかの一例が日記とは別にメモとして記している「動物学ノート」に書かれていますので引用してみましょう (「動物学ノート」と言っても必ずしも話題は動物だけではありません)..
"3月23日
"ケカビが緑のショウガの上に生えている。色は黄、長さは1/20から1/15インチで、茎の直径は0.001、先端の球のそれは0.006。茎は透明で長さ1/10の円筒状だ。球の近くではそれは平たくなって角がありやや広い。小球には直径0.0001の粒子がつまってい平面状にくっつきあっている。水の中に入れると球は部分的に破裂して細粒とともに大きな空気の泡を送り出す。筒状の茎の中には液体の動きが見えた。単に息を吹きかけると小球は大きくなり、3っつの円錐形の半透明な突起が表面に出来た。(かなり花粉に見られるのと同じようだ。) これらの錐体はやがて収縮して小球の中に引き込まれるのが見えた。"
..「動物学ノート」("Charles Darwin's Zoology Notes & Specimen Lists from H.M.S. Beagle",ed.by Richard Keynes,Cambridge UP.)

[注釈]
1832年3月22日正午の天候:
北東微北の風、風力4、青空と雲、気温華氏81度(摂氏27.2度)、水温華氏81.5度(摂氏27.5度)。

23日正午の天候:
東の風、風力1、青空と雲、気温華氏81.5度(摂氏27.5度)、水温華氏82度(摂氏27.8度)。


[地図1] 1832年3月22日正午のビーグル号の位置..

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[地図2] 1832年3月23日正午のビーグル号の位置..

縮尺や中心は適宜変えて見やすくしてください

[日記原文]
22nd & 23rd
The wind yet continues very light & contrary; there is however to my cost a little swell, enough to make me all day long rather uncomfortable: Occupation is the best cure, & I always have, when leaving a port, the pleasant one of arranging my collections. —

["ダーウィンが行く"について]
このシリーズで扱っているのはダーウィンがビーグル号に乗っている時の日記です。訳文は私的な研究目的に供するだけの仮のものです。普通は全文を訳しますが日によっては原文全文と注釈または抄訳だけにとどめる場合もあります。抄訳の時はその旨を明示します。
[日記原典]
"Charles Darwin's Beagle Diary" ed. by R.D.Keynes, Cambridge U.P., 1988.
タグ:船酔い
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コメント 5

kimiko

青函連絡船があったころ。
初めて乗ったフェリーで動き始めてまもなく船酔い状態に・・
たしか、4時間半の乗船中ずっと嘔吐・・地獄の船旅でした(><)
港に着くまで降りられないって辛いですね~(^^;
by kimiko (2008-03-22 13:09) 

さとふみ

揺れるときはまた遅れることがあるので時間が長引きます。:(
by さとふみ (2008-03-22 13:12) 

zenjimaru

> 船酔いの最良の治療は没頭だ
何に没頭が問題で釣りで針の取替えなどやろうものなら
もっと悪化しそうです(笑)
揺れるバスや列車で本など読んで、ひどい目にあった事もあります
by zenjimaru (2008-03-23 21:22) 

さとふみ

この記事の日の揺れでは顕微鏡を覗くこと自体は余裕だったのでしょう。:)
by さとふみ (2008-03-23 22:53) 

春分

ケカビの話は面白いですね。
船酔いで顕微鏡を覗くのは大変だと思います。
船酔いではないですが、二日酔いで覗いたことがありましたが、きつかったです。
by 春分 (2008-03-29 12:50)