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クリスマス島の海の塩 [フード&ドリンク]

このブログを時々訪れていただいているumikoさんの記事(↓)で、クリスマス島の塩が商品化されていると知りました..
http://blog.so-net.ne.jp/Lovely-jakariko/2007-12-10

それで、早速調べてその商品(塩の方)を手配して入手してみました。比較的細かな粒で写真を撮った段階ではほんのすこし湿り気を帯びたものとなっています(乾かすことはもちろん可能です)。

口に含むと柔らかな塩味でやや苦みを含んでいてしばらく口の中に余韻が残ります。以前にこのブログでとりあげた南米ボリビアのウユニ塩湖のものにくらべるとかなり柔らかい味わいです。
[参考記事:ウユニ湖の塩]
http://blog.so-net.ne.jp/kozuchi/2007-07-15

また、以前に沖縄・与那国島の塩もとりあげたことがあります。
[参考記事:与那国の塩]
http://blog.so-net.ne.jp/kozuchi/2007-08-12

与那国の塩のほうは一口含むと喉のおくまで柔らかい塩味がひろがってふくらみを感じます。印象としては沖縄の海で泳いだ時に口に含んだ海水の味そのままです。
他方、このクリスマス島の塩の方はよりコンパクトな味のひろがり方をするような感覚です。付いて来た小冊子の成分分析表を見ながら与那国の塩の分析表と対比してみますと、与那国の塩との比較においてカリウムの含有量[51.1mg/100g]が一桁少なく、またマグネシウム[157mg/100g]が1/5程度で、他方カルシウム含有量[827mg/100g]のほうがかなり多くて約2倍となっています。成分や味のことはさておき、少なくともイメージ商品としてはクリスマス島の塩は面白みがあるように思います。

キリバス共和国のクリスマス島(Kiritimati)は太平洋のまっただ中赤道近くにある島です。キリバスの首都はタラワ(Tarawa)です。

首都タラワのあるクリスマス島での時間帯はグリニッジ時より12時間進んでいますが、キリバス共和国の中でもこれより東の島の中にはグリニッジ時より14時間進んでいる所もあり、この後者の場合は日本標準時より5時間進んでいます。

この付近は一年の時期に応じて海流の向きが変わることがあるようですが、深海の海水が湧出する場所に近く、ゆえにミネラル分が多いためプランクトンも例えば黒潮本流よりは多いので、水の透明度は黒潮本流上ほどではありませんが、むしろそのため水中からの光線が多く出てくるので色彩の面では黒潮上よりきれいに見えるはずです。与那国は黒潮本流域にあるので沖に出れば与那国のほうがより透明度の高い海水に囲まれていると言えるでしょう。

この(キリバス共和国の)クリスマス島は、キャプテン・クックが彼の第3回航海のとき、1777年のクリスマスをここで過ごしたということで名付けられました。

[引用]
"[1777年]12月24日
水曜日 夜明けの半時間後、北東微東2分の1東に陸地が発見された。近寄ると、この海域によく見られる低い島々のひとつだった。つまり海を内に囲んだ低い砂洲であった。数本のココヤシの木が2、3ヵ所に生えていたが、全体としては島はたいへん荒涼としていた。..水深測量の結果、私はカメを捕まえるために停泊する決心をした。この島はそれに好適な場所であり、住民はいないようだった。そこで、30尋の深さで投錨し、岸全体にわたって恐ろしい波しぶきが上がっていたから、上陸地点があるかどうか調べるためにボートを送った。ボートが戻ってきたとき、乗っていた士官は、ボートで上陸できる地点はどこにもないが、波打ち際の外には魚がたくさんいる、と報告した。..

"[1778年]1月1日
私は、上陸していた全員を帰船させ、捕獲したカメを積み込むためボートを派遣した。これが実行される前に午後も遅くなっていたので、翌朝まで出航するのは適当でないと考えた。われわれはこの島で、両船あわせて約300匹のカメを得たが、平均して約90ないし100ポンドの重さだった。..

"我々はこの島でクリスマスを送ったので、クリスマス島という名前を付けた。"
(クック『太平洋探検』(六)第三回航海(下)、増田義郎訳、岩波文庫)

[地図]
キリバス共和国の首都タラワの位置: 縮尺は適宜変更してください。

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[地図2] 衛星写真地図

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SAKANAKANE

利き塩と言うのも面白そう。
カメは食用なんでしょうか?300匹と言うのは、いささか乱獲な気が・・・。
色々な航海記を読んでらっしゃるんですね。
by SAKANAKANE (2007-12-15 11:29) 

さとふみ

大量のカメ捕獲は食用です。長期の航海で新鮮な食品が必要だったわけでしょうね。因に、ダーウィンもガラパゴス諸島でカメを食べています。
by さとふみ (2007-12-15 11:34) 

umiko

もう届いたのですか?
早いです!
亀の味ってどんなのでしょう?
by umiko (2007-12-15 13:06) 

さとふみ

>亀の味ってどんなのでしょう?
スッポンもカメですので、味の大きな差異を考えなくとも良いと思いますが..
(いずれダーウィンの日記の記事の中でとりあげることもあるかと思います。)
by さとふみ (2007-12-15 13:28) 

とよっち

そうやって食料を調達しながら長い航海を乗り切っていたのですね。
ダーウィンにも出てくるのですね~♪
by とよっち (2007-12-16 07:10) 

めぎ

ほんと、欲しくなりますねえ♪
by めぎ (2007-12-16 07:31) 

さとふみ

とよっち さん
>そうやって食料を調達しながら長い航海を乗り切っていたのですね。
ダーウィンの日記によれば海鳥の卵なども食べたようです。
by さとふみ (2007-12-16 07:55) 

さとふみ

めぎ さん
>ほんと、欲しくなりますねえ♪

なかなかいい塩です。ところで、おいしさでは岩塩もひけを取りません。というより、岩塩の方が味がいいと言う人もいます。もっとも岩塩も太古の海の塩で、それが地中に閉じ込められ、圧力や熱を受けたものですね。
by さとふみ (2007-12-16 07:59) 

Baldhead1010

昔ながらの製塩法で作った塩は、味がありますね。
by Baldhead1010 (2007-12-16 07:59) 

さとふみ

Baldhead1010 さん
>昔ながらの製塩法で作った塩は、味がありますね。

塩化ナトリウムの純度が99%の食卓塩とはまったく別物と言っていいくらいです。
by さとふみ (2007-12-16 08:07) 

umiko

そんなに味がちがうんだ。
by umiko (2007-12-16 16:12) 

さとふみ

>そんなに味がちがうんだ。
そのうち機会があったら試してみるとおもしろいと思います。
by さとふみ (2007-12-17 14:34) 

umiko

はい。
by umiko (2007-12-18 13:00) 

さとふみ

あ、ところで、このクリスマス島の塩は日本の業者が国内販売しているので注文すればすぐ届きますよ。
by さとふみ (2007-12-18 18:45) 

zenjimaru

塩の味が判るほどグルメじゃありませんが私も岩塩を使っています
恥ずかしいですが変な所にこだわっています
さとふみさんの岩塩の方が美味しいの一言で安心しました
by zenjimaru (2007-12-19 10:55) 

さとふみ

>変な所にこだわっています
水とか塩とか、細かいことにこだわるというのは楽しいと思います。
by さとふみ (2007-12-19 20:32) 

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