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ザワークラウトや"すぐき"の漬け物 [フード&ドリンク]

ザワークラウトや"すぐき"の漬け物

ザワークラウトというドイツの漬け物があります。基本的にはキャベツを塩漬けしたもので、乳酸菌の作用により酸味を帯びた味になります。主にドイツやオーストリーで盛んに食べられているようですが、一部フランスの東部でもこれを食卓に乗せる地域があるようです。

日本でもドイツ風料理店でソーセージ料理を注文すれば必ずこれがついてきますね。

昔、船で長い航海に出ると、新鮮な食料の不足により、特にビタミンCの欠乏が甚だしくなり、壊血病という病気で苦しむ事が多かったようです。イギリス海軍のキャプテン・クック(James Cook, 1728-1779)は1768年から1771年のエンデバー号による第1回の世界周航において、麦芽汁の医療的な使用、およびザワークラウト(サウワークラウト)を乗員に食するようにしむけること、などで結果として壊血病での死者を出さない初めての世界周航を実現したと言われています。

キャプテン・クック自身の記述:
(注:1768年8月にイギリス・プリマスを出発して、大西洋を横断、南米大陸の南のホーン岬を通って太平洋に出て、さらにそれを渡り、出発から約8ヶ月後、タヒチ島に着いた時の記述です。)

"(1769年)4月13日木曜日..
この時点(注:1769年4月13日)で、病人の表に記載された者はきわめてわずかであり、その者たちもたいして苦痛はなく、船員一同は、まずきわめて健康状態良好であった。これはサウア・クラウト、固形スープ、麦芽などによるところが大きい。はじめの2食品は水兵たちに与え、ひとつは牛肉食の日、もうひとつは禁肉食日に供与した。麦芽汁が麦芽から作られ、船医の判断により、壊血病の徴候がすこしでもある者に与えられたが、この措置と船医マンクハウス氏の注意と手当により、本船ではこの病気の発生をくいとめることができた。はじめ水兵たちはサウア・クラウトを食べようとしなかったので、私は、船乗りたちに実行してかならず成功する手を使った。それは、サウア・クラウトを適当量、毎日船室のテーブルに置いておかせ、士官たちに例外なく食べさせて、あとの者たちには、好きなだけ食べるなり、なにも食べないなり、勝手にさせておくのである。そして、このやり方を一週間つづけたところで、私は船上のすべての者に、制限を課さなくてはならなかった。船乗りたちの気質とは一般にそういうものであって、なにごとにつけ、ありきたりのやり方で与えると、たとえじぶんたちにとってよいとわかっていても、受け入れようとせず、最初にそれを考えついた人の悪口をぶつぶつつぶやくだけだが、ひとたび上官がそれを重視していると見るや、それが世界中でいちばんいいものになって、それを与えてくれた人はりっぱ、ということにあいなるのである。"
("クック 太平洋探検 上"、岩波書店、1992年)

ところで、酸味のある漬け物と言えば、実は京都で地元の人々によく食べられている すぐき という漬け物があります。これはかぶの変種のすぐき菜という京野菜を調味なしで漬けて乳酸発酵させたものです。極めて自然な漬け物です。京都でお漬け物をお買い求めの際はひとつこれを加えてみてください。


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コメント 4

こんばんは(^▽^)/ クッキングのカテゴリから
やって参りました。
ザワークラウト大好物なのです!^^b
これ、どうやって作るんでしょうね(・・?研究してみよう~

すぐきは日々食しております(^^)
刻みすぐきにしてお茶漬けも美味しいんです♪
by (2007-04-18 20:13) 

ひいろ

ザワークラウトと聞くと
プロイスラーの「大どろぼうホッツェンプロッツ」という
お話を思い出します。
by ひいろ (2007-04-18 20:38) 

さとふみ

おそらく「大どろぼうホッツェンプロッツ」を映画にしたものだと思うのですが、以前見た事があります。その映画ではザワークラウトより奇妙な靴がとても印象に残りました。
by さとふみ (2007-04-18 21:29) 

neko-san

そういえば、ソーセージについてきますね。
"変なもの" という風に、思ってました(笑
由緒ある 食べ物だったんですね、また、ひとつ賢くなれました!
by neko-san (2007-04-19 10:31) 

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